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ROUND 3芥川賞選考会

三崎亜紀 『鼓笛隊の襲来』

三崎亜紀『鼓笛隊の襲来』(光文社) 3回目 当落予想
◎=本命 ○=対抗 ▲=大穴
作品評価
A〜D
大森 豊崎 大森 豊崎
B B+

あらすじはコチラ

豊崎なんでこの短篇集で候補にするんでしょうか。これじゃとれないでしょう。
大森三崎さんは、4冊しか出してなくて、そのうち3冊が候補になってる。すごいね。でも、とれない度でいうなら、『失われた町』の方がありえなかったでしょう。
豊崎『失われた町』は長いし、SFだけど、でもそういう力作に授賞してほしいのになあ。でも、直木賞は浅田さんに『蒼穹の昴』じゃなく『鉄道員』であげた時みたいな判断をしがちですよね。となると、大森さんは▲つけてますけど、たしかに受賞はなくはないのかも。これって、いろんなタイプの小説が入ってますしね。いわゆる奇想小説集なわけですけど、奇想系の物語は直木賞的にはどうなんでしょうね。
大森ぎりぎり範囲内かな。ほとんど筒井康隆ですからね。朱川湊人みたいなノスタルジック路線じゃないから難しいけど。
豊崎私自身はこの短編集好きなんです。「「欠陥」住宅」とかよかったな、ダニエレブスキーの『紙葉の家』みたいで。
大森でも、百回読んだよみたいな話も多くて。たとえば乙一は一回も直木賞候補になってないけど、乙一がこういう短編集を出すと、8割くらいはどこかで見たような話でも、一本か二本は、「なんやこれ、いったいどこからこういうネタが出てくるの?」みたいなのがあるでしょう。三崎亜記の短編は、たしかにレベルは高いけど、そういう驚きがない。この中だと「彼女の痕跡展」と「同じ夜空を見上げて」がいちばんいいと思うけど、でもこれ乙一みたいだよな、と思っちゃう。
豊崎きびしいなあ。でも、文体の好き嫌いって点でいくと、私は乙一文体より、三崎さんのそっけない文体の方が好き。多くを語らない、開かれた文体っていうのかな。「彼女の痕跡展」の最後の一文もすごいなと思う。〈何処とも知れぬ土の下で、私の恋人はゆっくりと土に還ってゆく〉。
大森アイデアもいちばん冴えてる。
豊崎でも、いちばん理解されない作品のような気もします。で、結局はわかりやすい「鼓笛隊の襲来」とか「覆面社員」が槍玉に上がって落とされる、みたいな。
大森でも、意外と伏兵でありえるかも。もう三回目だし。前よりわかりやすいし。
豊崎いや、伊坂幸太郎枠かもしれませんよ。「もう一作見よう」枠(笑)。今回その枠が空いてるので、三崎さん入れられちゃったんじゃないの。
大森前回、林真理子が推してたんですよね。
豊崎ああ、そういえばいましたねー、林真理子なんて選考委員が(笑)。装丁もおしゃれだからマリッペは好きかもしんない。
大森七作の中で唯一、装丁だけで手にとらせる力がある。

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