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ROUND 1候補作発表を受けて、大森望&豊崎由美による受賞レース予想!!

直木賞候補作紹介

●井上荒野『切羽へ』(新潮社)
セイは小さな島の小学校の養護教師。画家の夫と二人、亡き父が診療所をしていた家で穏やかに暮らしていた。ある日新任の教師、石和がやってくる。夫を深く愛しているセイだが、どうしようもなく石和に惹かれていく。本土の男と不倫する同僚の月江が起こす騒動、年老いたしずかさんが昔の夫を思い出して見る夢、母が父に贈ったマリア像・・・廃墟が残る静かな島にめぐる様々な愛に、セイの心は揺れ動く。

『切羽へ』
『愛しの座敷わらし』

●荻原浩『愛しの座敷わらし』(朝日新聞出版)
大手食品メーカー勤務の晃一が東北に異動になり、引越し先に古い民家を探し出してきた。夫に不満の史子、友達がいない中学生の梓美、喘息だがサッカーが好きな智也、認知症気味の母澄代、それぞれに葛藤を抱える家族は田舎暮らしにとまどう。ある日、鏡の中に、庭の祠に、小さな子どもの姿を見つけ――。家に住み着く座敷わらしとの出会いを機に、バラバラだった家族に変化が訪れる。

●新野剛志『あぽやん』(文藝春秋)
“あぽやん”とは、空港=エアポート、略してAPOで働く旅行会社スタッフのこと。出世コースから外れた赴任地であることから揶揄された呼び名だ。二十九歳の若さで空港支所勤務になった遠藤慶太は「ぜったいあぽやんにはならない、本社に返り咲くぞ」と息巻く。上司の今泉や堀之内らに鍛えられ、発券ミスや他部門との駆け引き、旅客のトラブルなどを乗り越え、次第に「旅客を笑顔で送り出す」あぽやんの仕事に誇りを持つように。

『あぽやん』
『鼓笛隊の襲来』

●三崎亜紀『鼓笛隊の襲来』(光文社)
「見えているのに、見ていないもの」などを描いた、9つの短編を収録。戦後最大規模の鼓笛隊が日本列島を襲来、迎え撃つ千人規模のオーケストラ防御網も突破された夜、義母と共に家で過ごす一家を描いた表題作、いないはずの恋人を失った喪失感に包まれる「私」が街で見かけたギャラリーに、自分の所有物が展示されていた「彼女の痕跡展」、連絡のとれなくなった友人宅に異変が起こり一部屋が忽然と姿を消した「「欠陥」住宅」など。

●山本兼一『千両花嫁 とびきり屋見立て帖』(文藝春秋)
時は幕末、舞台は徳川将軍家の上洛にわきたつ京の都。名代の茶道具屋の娘ゆずと、店の奉公人真之介は、駆け落ちして道具屋「とびきり屋」を構えた。新撰組の面々とさまざまな道具が絡む事件に、ゆずの目利きと真之介の商人魂が挑む、連作短編集。千両箱を盗んだ芹沢鴨に、ゆずが賭けを仕掛ける「千両花嫁」、とびきり屋にかくまった坂本龍馬と勝海舟を狙う侍に店の衆が揃って立ち向かう「皿ねぶり」など七編収録。

『千両花嫁 とびきり屋見立て帖』
『のぼうの城』

●和田竜『のぼうの城』(小学館)
天下統一目前の豊臣秀吉が、北条家の支城、武州・忍城攻めの総大将に石田三成を命じた。三成に武功をあげさせるために秀吉が画策、忍城は戦わずして落城する手はずだったが、城主・成田長親のひとことで戦が始まることに。智も仁も勇もなく、“でくのぼう”の「のぼう様」と呼ばれるこの男、なぜか人気だけは人一倍。個性あふれる家老たちや領民たちの人心をつかみ、三成二万の軍勢に、たった二千で戦い挑む。

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