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ROUND 2芥川賞選考会
中山智幸『空で歌う』
| 中山智幸『空で歌う』(「群像」2007.8) 初 | 当落予想 ◎=本命 ○=対抗 ▲=大穴 |
作品評価 A〜D |
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|---|---|---|---|---|
| 大森 | 豊崎 | 大森 | 豊崎 | |
| … | … | C | C | |
豊崎これがとったら、私は壊れます。なんだっけ、文學賞新人賞をとったやつ。今となってはあれの方がまだましだったような気も。
大森「さりぎわの歩き方」ね。僕はあれそんな嫌いじゃなかったな。今期の作品でも、「文學界」に書いた「木曜日に産まれた」の方がまだよかった。この「空で歌う」がいちばん、どうしたのこれ? って作品ですね。
豊崎事故で亡くなった天文好きの兄の元恋人と、兄が行くはずだったロケット打ち上げを見に種子島に行くことになった男の話。おしまいっ!
大森プッ!てかんじですね。
豊崎羊の皮を被った狼的な弟の造型がどうなの?突然彼女の泊まってる部屋を訪ねて襲おうとするシーンがあるんだけど、どうしてもそういうキャラクターには見えないんですけど。
大森襲うまでは行ってないから、あれくらいはまあ、普通の勘違い男子だと思いますよ。嫌だと言われたらやめてるし。僕は頭の中でずっと、「雨上がりの夜空に」が鳴ってましたね、RCサクセションの。こんな夜に発射できないなんて〜って。で、その翌日は空がきれいに晴れて、ロケットが発射すると。おれは発射できなかったけど。
豊崎智幸はそういうことが書きたかったのかよっ(笑)。
大森そう。だからロケットなんだと膝を叩きましたよ。種子島の打ち上げと対比させて、現代日本に生きる若い男性の悲しい不能性を鋭く描いている(笑)。石原慎太郎的に言えば。
豊崎じゃあ死んだお兄さんは装置なの?ロケット発射させるための。
大森発射台みたいなもんですよ。まあ、結局は発射できないんだけど。発射したいのに発射できないという、この国の若人の閉塞状況が象徴されている。はるばる種子島まで行って、発射できない自分と向き合う。
豊崎じゃあ、これはシンちゃん的にはOK?
大森知りませんよそんなの(笑) 本音で言うと、とにかくこういうことにロケットを使ってほしくないですね。種子島宇宙センターの人に謝れ! JAXA(宇宙航空研究開発機構)の人に謝れ!と。あと、ライト兄弟にも謝ってほしいですね。
豊崎なんで、おのれたち兄弟とライト兄弟の像を重ねてるのか、意味がわかりません。
大森タイトルも、ライト兄弟のお父さんの科白から。
豊崎お兄さんが生前、孤独についてを語るじゃないですか。〈月が地球のまわりをまわっているように〉〈空っぽに見えるところにも作用している。関係があるんだ。ぜんぶがつながってる。どれかひとつ欠けても全体がかわってしまうぐらい〉……噴飯ものとはこのことです。幼稚きわまりなし。どうなの? 中山さんて人は何を考えて小説書いておられるの?
大森知りませんよそんなの!
