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ROUND 4 直木賞選考会 前編

桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』

桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』(東京創元社) 当落予想
◎=本命 ○=対抗 ▲=大穴
作品評価
A〜D
大森 豊崎 大森 豊崎
A A

あらすじはコチラ

豊崎わたしたちの評価はすごく高いわけですけども、ない。

大森ない。

豊崎終了(笑)。

大森吉川英治文学新人賞落選作ですからね。日本推理作家協会賞はめでたく受賞して、そっちの選考会では絶賛の嵐だったけど。

豊崎ジジババ選考委員には、時代考証的に変とか言われちゃうのかなあ。

大森まあ、突っ込まれる余地はあるね。とくに第一部。昭和史年表とかの資料の引き写しっぽく見える、とか。

豊崎でも、ああいう圧縮した記述にしたからこそあのページ数に抑えられたわけで、ちゃんと緻密に時代の空気まで描いてたら全5巻くらいになっちゃいますよ。

大森ぼくはむしろ(世相部分を)全然書かなきゃいいと思いましたけどね。

豊崎昭和28年から高度成長期、バブル時代を経て平成の現代までの日本の精神史みたいなものを追ってる小説だから、ある程度事実も押さえておかないとまずいと思ったんでしょうね、桜庭さんは。書かなくても小説にはなったんでしょうけど。

大森これは12月刊行の本なんで、直木賞を落ちても来年の本屋大賞がある。

豊崎いやー、無理でしょ、『赤朽葉家の伝説』では。もうちょっとわかりやすく話じゃないと。

大森そんなことないでしょ。本屋大賞はあると思いますよ。

豊崎そっかなー、私は2位か3位くらいに終わると思いますよ。ま。本屋大賞はともかく直木賞受賞は難しいのはたしかですね。

大森森見・万城目・桜庭の新人チームは、今回が顔見せ。桜庭さんは、「別冊文藝春秋」連載の「私の男」が秋に出るから、それで下半期の直木賞をとる予定です。

豊崎またそんな黒い裏情報を!(笑)

大森ほんとは「私の男」で初候補だろうと予想したんだけど、スケジュールが前倒しになって。

豊崎でも、どうします? (芥川賞候補の)柴崎さんみたいに次の自社本(文藝春秋の刊行本)で獲らせるという腹づもりだったのが、場の空気を読まない選考委員によってこれで受賞ってことになっちゃったら。

大森それはないでしょう、さすがに。吉川英治文学新人賞落選作ですからね。獲ったら快挙は快挙だけど、長い目で見ると直木賞はもうちょっとあとのほうがいい気がする。逆に、次の「私の男」でも直木賞を逃せば、『青年のための読書クラブ』で来年の吉川新人賞か山周賞をとる目が出てくる。生涯獲得文学賞数を考えると、むしろそのほうがいいんですよ。

豊崎文学賞コーディネーターかよっ。

大森ライフプランナーと呼んでほしい(笑)。

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