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ROUND 4 直木賞選考会 前編

万城目学『鹿男あをによし』

万城目学『鹿男あをによし』(幻冬舎) 当落予想
◎=本命 ○=対抗 ▲=大穴
作品評価
A〜D
大森 豊崎 大森 豊崎
B B

あらすじはコチラ

豊崎京都つながりで、万城目さんです。京都学派は双方受賞はあり得ないんですけど、どちらかといえばこっちの方が芽があるかな、と私は思いました。わかりやすいし、「坊っちゃん」が下敷きになってますからね。若いのに、漱石読んでて偉いなとかって褒められそう。

大森僕も「坊っちゃん」だからあるかな、と思ったんですけどね。でも、さる筋の説では、鹿がしゃべるような小説はとてもムリ、理解してもらえないと。

豊崎あー、鹿がしゃべっちゃだめなんだ。

大森そのへんに微妙なラインがあるらしい(笑)。しかし、同時に候補に入れたところを見ると、文春的には、森見登美彦と万城目学は同格っていう扱いですよね。それはいかがなものか。

豊崎ほんとですよねえ。万城目さんはまだモリミーと同格とか思えないので、今回の同時候補には私もちょっと驚きました。

大森まだ早いよね。まあしかし、デビュー作の『夜市』が候補になった恒川光太郎(134回 参考)とか、朱川湊人の1回目(130回候補作『都市伝説セピア』)とかの例もあるから。万城目学はこれが2作目ですからね。『鴨川ホルモー』よりはわかりやすいし。僕は『ホルモー』のほうが断然いいと思うけど。

豊崎私も『ホルモー』派だな。あっちのほうがバカバカしいし、破天荒。

大森『鹿男』は、わりあい普通のユーモア現代伝奇小説になっちゃってる。

豊崎でも、剣道のシーンはいいと思ったな。自分も高校の時に剣道やってたんで。

大森そう? なんかマンガみたいじゃない?

豊崎いやいや、すごく上手ですよ。剣先の動きとか、やってないとわからない空気とアクションがちゃんと描かれてます。武道を描いたのも、爺さま選考委員にとっては好感度高まる要素になりうるでしょうけど、でも、まあ、受賞はありえませんね。

 

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