文学賞メッタ斬り!トップ > ROUND1 レース予想 > 直木賞候補作紹介
ROUND 1候補作発表を受けて、大森望&豊崎由美による受賞レース予想!!
直木賞候補作紹介
●森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』(角川書店)
京都の大学生「私」は、クラブの後輩「黒髪の乙女」に一目惚れ、夜の先斗町に、神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。「たまたま通りかかったもんだから」と繰り返す「私」に「あ!先輩、奇遇ですねえ!」と応え続ける天然キャラの彼女。そして二人を待ち受ける、奇々怪々な面々と珍事件の数々……。学園祭を席巻する「偏屈王」事件をクライマックスに、運命の大転回が起きる!


● 桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』(東京創元社)
鳥取県西部の紅緑村、幼いとき"辺境の人"に置き去りにされた万葉は、不思議な力を持っていた。のちに製鉄業で財を成した赤朽葉家に望まれて輿入れするが、一族は数奇な運命を辿ることに……。「千里眼奥様」として赤朽葉家を仕切った祖母・万葉、中国地方を制するレディースの頭から漫画家に転じた母・毛毬、そしてニートの「わたし」・瞳子。高度経済成長、バブル崩壊を経て平成に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる製鉄一族の物語が、「わたし」の目を通して語られる。
●松井今朝子『吉原手引草 』(幻冬舎)
吉原一を誇る、若き花魁葛城。縮問屋への身請けも決まり絶頂を極めたそのとき、忽然と姿を消した。
その謎を追うべく、ある男が葛城に関わる人々を訪ね歩く。引手茶屋の内儀、廓の楼主、番頭、幇間、芸者、船頭ーー17人の男女の口から語られる吉原の裏と表。嘘と真が交錯する中、事件の全貌が現れ、隠されていた真実が明らかになっていく。


●畠中恵『まんまこと』(文藝春秋)
江戸時代、奉行所の裁きを受けるまでもない、かといって当人同士では解決できないいざこざは、町を預かる名主が玄関先で裁定をした。お気楽な若者麻之助は、江戸神田の古名主の息子。頼りないながらも、悪友二人ーー色男の清十郎、堅物の吉五郎らの力を借りて、揉め事を解決する。太物問屋の娘の、お腹の子の父親探しをする「まんまこと」、妻子をなくした質屋の前に突然現れた娘の騒動を描く「柿の実を半分」など、連作六編を収録。
●北村薫『玻璃の天』(文藝春秋)
令嬢・花村英子と女性運転手・別宮みつ子(ベッキーさん)が活躍するシリーズ第2弾。昭和初期の東京を舞台に、戦争へ向かう時代に生きる少女を描く三編を収録。表題作、建築家・乾原が作った末黒野邸で、ステンドグラスの天窓から思想家の死体が落ちてきた。果たして事故か、殺人か。才色兼備のスーパーウーマン・ベッキーさんとともにたどり着いた英子の推理とは。


●万城目学『鹿男あをによし』(幻冬舎)
大学の研究室で「神経衰弱」とささやかれる「おれ」は、二学期限定で奈良の女子高校に赴任することになった。初日から生徒の反抗にあい気の重い日々を送っていたある日、散歩に出かけた東大寺で、鹿に話しかけられた。「さあ、神無月だーー出番だよ、先生」。鹿の命を受け、半信半疑ながら地球の危機を救うべく、奈良の都を奔走する「おれ」。太古の歴史、神の「使い番」、女子校対抗戦、さまざまな場面に隠されたものがやがて繋がり……。
●三田完『俳風三麗花』(文藝春秋)
昭和七年、亡き父の同僚・暮愁先生が主宰する句会に参加する、紅一点のちゑ。そこに女性医学生壽子、浅草芸者の松太郎が加わった。境遇は違うが、俳句を通じて親交を深め、未知の世界を経験していく三人。恋の行方も三種三様、悩みも尽きない。満州事変、東京市の制定、皇太子誕生など当時の社会時勢も交え、月に一度の句会の模様をつぶさに描く。

