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ROUND 1候補作発表を受けて、大森望&豊崎由美による受賞レース予想!!

「今回の芥川賞候補作を、わたしは平成維新と名付けたいですね」。
と豊崎由美が言うように、今回の芥川賞候補作家は、初ノミネートが4人とフレッシュな顔ぶれ。 大森望も、
「題名からして芥川賞候補としてはかなりヘン。川上未映子『わたくし率 イン 歯ー、または世界』、前田司郎『グレート生活アドベンチャー』と、タイトルが並んでるのを見るだけでかなり笑える。石原都知事や宮本輝さんはどんな顔をして読むんでしょうか」
「そうそう、テルちゃん(宮本輝)は、いちいちタイトルに文句付けるからねえ」
川上未映子は文筆歌手を名乗り、未映子名義で楽曲も発表している。前田司郎は劇団、五反田団を主宰する劇作家。また、「オブ・ザ・ベースボール」の円城塔は、発売されたばかりの前衛的なSF作品『Self-Reference ENGINE』で高い評価を得ているSF作家と異色の存在。維新作家たちの評価が楽しみなところだが、ふたりとも、
「まあ、こういう作品が選考委員に理解されるとも思えない。今回は受賞作なしが本命じゃないですか」
と、すでに諦めの境地。

直木賞の本命はきれいにそろって、北村薫『玻璃の天』。
「さすがに今度こそは絶対確実」だそうだ。
じつは、北村薫は『ひとがた流し』で前回、136回の候補にもなっていた。この時点で4回目のノミネートであり、受賞の可能性は濃厚であると予想、しかしふたをあけてみると、
「受賞作なし」
というサプライズが用意されてたのである。
「山本周五郎賞の選考委員もつとめる大ベテランを続けてノミネートしておいて落とすという展開は、いくらなんでもないのではないか」(豊崎)
「『ひとがた流し』は個人的に評価できなかったが、今回は作品もいい。三部作の真ん中という中途半端さも直木賞っぽい。◎どころか、三重丸をつけていいくらいの鉄板」(大森)
「同じく文藝春秋から出た『まんまこと』もよかった。畠中恵さんとのダブル受賞がわたしの大本命です」(豊崎)

さて、結果はいかに? 

ふたりのレース予想は以下の通り。

第137回芥川賞候補作 当落予想
◎=本命 ○=対抗 ▲=大穴
作品評価
A〜D
大森 豊崎 大森 豊崎
松井雪子『アウラ アウラ』(「文學界」2007.3) C B-
前田司郎『グレート生活アドベンチャー』(「新潮」2007.5) B- C
川上未映子『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(「早稲田文學」0) B- A
円城塔『オブ・ザ・ベースボール』(「文學界」2007.6) B B+
柴崎友香『主題歌』(「群像」2007.6) B B-
諏訪哲史『アサッテの人』(「群像」2007.6) A- B

選考委員/池澤夏樹・石原慎太郎・黒井千次・高樹のぶ子・宮本輝・村上龍・山田詠美・小川洋子・川上弘美
*大森、豊崎ともに、◎予想は受賞作なし

第137回直木賞候補作 当落予想
◎=本命 ○=対抗 ▲=大穴
作品評価
A〜D
大森 豊崎 大森 豊崎
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』(角川書店) A A
桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』(東京創元社) A A
松井今朝子『吉原手引草 』(幻冬舎) B A-
畠中恵『まんまこと』(文藝春秋) B B+
北村薫『玻璃の天』(文藝春秋) B+ A-
万城目学『鹿男あをによし』(幻冬舎) B B
三田完『俳風三麗花』(文藝春秋) B- B

選考委員/阿刀田高・五木寛之・井上ひさし・北方謙三・林真理子・ 平岩弓枝・宮城谷昌光・渡辺淳一・浅田次郎
*豊崎は、『まんまこと』『玻璃の天』のダブル受賞を予想

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